FUJIFILM X100T 20160210

FUJIFILM X100T

 仕事で鬼子母神堂の近くに行った。せっかくならと、久しぶりに境内を覗いてみたら、少し前の記憶が蘇ってきた。数年前にも同じく仕事で近くに来て境内に入ったんだけど、その時に時間が止まっているかのような駄菓子屋さんがあることを知ったのです。
 しかも、その店頭に猫が寝ていたんだから、写真好きにはたまらない。いかにも、写真を撮りたくなる景色が広がっているんだから。駄菓子の入った古いガラスケースの上に猫が気持ち良さそうに居座ってたからね。その時に、駄菓子屋のおばあさんに、撮影してもいいですか?って聞いたら、笑いながら「どうぞ」と言ってくれたので、その猫を撮影したんだけど、その猫はとてもおとなしくて、かわいかったな。

 ちなみに、この駄菓子屋さん「上川口屋」はなんと、創業1781年!!で、日本最古の駄菓子屋さんとのこと。店頭のおばあちゃんは、もしかしたら230年前の江戸時代からいるのかもしれませんってくらいに、ここだけ、時間の経過から取り残されたような雰囲気があって。

 しかし、数年ぶりに伺ってみたら、定位置に猫がいない・・・。もしやと思って、おばあさんに「猫ちゃんは今日はいないんですか?」って聞いてみたら、「そうなのよ・・・。今年の1月に死んでしまったのよ・・・」と、寂しそうに語り始めて。猫ちゃん、もう17年も生きていたそう。その猫は小さいころに足を骨折してしまって以来、ジャンプができなくて逃げられないから、「外に行っちゃだめよ」とおばあさんが言うと、それを守っていつも店頭にいたそうで・・・。お客さんがなでても、おとなしくおりこうさんにしていて。猫との思いでを語るおばあさんは、泣きそうなくらいの雰囲気で。私も猫を飼っているので、気持ちはすごくわかる。。。

 それで、おばあさん、わりと長く話してくれたんだけど、びっくりしたのが、もう一匹、似たような柄の猫がいたそうで。二匹は喧嘩はしないけれど、それほど仲が良い訳でもなかった、と。おばあさんいわく、「お互い、あいさつもしなかったのよ」。
 ところが、1月の初めに、足の悪いほうの猫が亡くなってしまうと、その二週間後に、後を追うように、もう一匹も亡くなってしまってそうで。動物ってそういうところがあるんですかね。いや、人間でも。猫二匹、見た目とは裏腹に、お互いをそれとなく気遣い、頼りにしていたのかもしれない。おばあさんは、二匹と一緒に暮らしていたそうで、一気に二匹も離れてしまって、とても寂しそうだった。聞いている私も意気消沈してしまった。

 なんて声をかけていいかわからなかったけど、別れ際に「そうですか・・・。おばあさんは元気でいてくださいね」って言ったら、「ふふふ」と笑って写真を撮らせてくれた。この先230年以上、鬼子母神の駄菓子屋さんが続いたら、おばあちゃんと猫二匹は分岐点。いつか、遠い未来に、猫に優しいおばあちゃんがこの神社にいたってことが、日本むかし話的に語られるのかな。

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35mmFUJIFILM X100TVSCOcam寺社

Kishibojin

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